先日ふとつけた
テレビ番組の中で、
元プロ野球選手の
『新庄剛志さん』が
こんなことを言っていたのです。
『お金がなくなる』とは
思っていなかったと。
カレは
あのピーク時に
合計『44億円』を稼いでおりまして、
それを、
信頼できるA氏というヒトに
預けていましたら、
あるときなんと、
『残額2000万円』に
なっていたそうです。
『44億円』が
『2000万円』に。
あれ?
43億8000万円は
いずこに?
調べてみましたら、
半分は税金として納められていて、
それ以外は、
新庄さんが
たくさんのスーパーカーやら
なにやらを買っていたのと、
その『A氏』が新庄さんに
『使ってもいいかい?』と聞かずに、
『使ってしまっていた』とのこと。
だからフタを開けてみると、
『44億円』のハズが、
『2000万円』に
なっていたというのです。
新庄さんは
思い知ったそうです。
自分は
野球ばかりしていて、
『お金のこと』を
なにも知らなかったと。
自分がちゃんと
『知っていたら』
こんなことには
ならなかったのだと。
誰も教えてくれないお金の話 (Sanctuary books)
知らないから、
A氏を信用して
全部預けていた。
『知っていたら』
残高がどうなっているか、
使い方はどうなのか
自分が
チェックできていたハズだと。
わたしは
新庄さんの言葉を聞いて、
思いました。
『知らない』
ということは
とても『オソロシイこと』なんだなと。
酒を飲んでいたころの
わたしは、
『知らないこと』に対して、
とてもストレスを感じていました。
『知らない』自分に
耐えられませんでした。
裏をかえすと、
『自分はなんでも知っている』と
思い込んでいたのです。
『完璧主義』ってやつです。
『完璧主義』っていうのは、
とてもヤッカイで、
ちょっとでも
うまくいかないと、
イライラするのです。
ムカムカ
キーッとなるのです。
なんで
こうなるのよーっ!
ってなるのです。
そしてそれが、
『自分のことだけ』であれば、
ひとりで勝手に
イライラしてれば
いいのですが、
悲しいかな、
ヒトのことまで
『そういう目』で見始めるのです。
ああすべき
こうすべき、
あれはダメだよね。
これはダメだよね。
あの人はダメだよね
とか。
こうなるとアレです。
『ムツカシイヒト』
まっしぐらです。
見るもの
聞くもの
納得ができません。
上から目線で
ヒトを
批判しまくりです。
イライラします。
イライラしっぱなしです。
そして
『思うようにならなくて』
『うまくいかない自分』に耐えられなくて
酒をガンガン飲み始めます。
飲むと、
『万能感』を感じるからです。
『なんでもできる人』
『すごい人』
『完璧なわたし』
になれるからです。
がしかし、
それは
ただたんに
『酔っぱらっているだけ』です。
幻想です
妄想です
まぼろしです。
カンチガイです。
酔って『頭の中』が
パーンって
なっているだけです。
はたから見ると、
酒を飲んで、
悦に入り、
ヒトにエラそうなことを言ってる
『ウザイやつ』なだけです。
そうやって、
『知らないわたし』は、
『無知』なまま
酒を飲む日々を
重ねてきました。
『酔っている時間』を
積み重ねてきたのです。
断酒して
わかったことがあります。
わたしは、
『頭の使いかた』を
完全にまちがっていたなと。
『知らないこと』があったら、
素直に『わからない自分』を認め
学べばよかったのです。
それを、
『知らない』とバカにされる
とか思ってしまい、
『知っているように』
自分をよそおっていた。
酒を飲んでいたころのわたしは
『つぎはぎ』だらけだったのです。
自分の『不完全な部分』を
必死になって
隠そうとしていました。
『完璧でなければいけない』と
思い込んでいたからです。
なぜ、このような
『完璧主義』に
なってしまったのでしょう
それは
わたしの父が
『完璧主義』だったからです。
気づくと
『親のコピー』のような
自分になっているという
あの
『世代連鎖』ってやつです。
父はわたしに言いました
ナメられないように
努力しろと。
わたしは
努力していたんですよ。
ずーっと
ずーっと
小さいころから
ずーっと。
だけど父は、
口をひらくと
いつも言っていました。
仕事のできるヤツになれ
努力しろと。
お前は
『努力が足りない』のだと。
父は毎晩
晩酌をするひとでした。
母が止めても聞かず、
遅くまで
酒を飲み続けるひとでした。
そして
飲みながら
わたしに言うのです。
しっかりしないとダメだ
努力しろと。
そう言って、
『悦』に入るのです。
『こんなことを話す
自分はスゴイひとだ』と
それはまるで、
自分自身に
酔っているかのように見えました。
なぜ、
わたしの父は
わたしに『完璧』を求めたのでしょうか?
父は、
たくさんいる
きょうだいの末っ子でした。
戦後すぐの生まれです。
父は
自分のきょうだいたちが、
いかに『無能』なのかということを
力説します。
わたしは
幼いころから
ずーっとそれを
聞いてきました。
『わたしたちの周りには、
ヘンなオトナばかりなんだな
気をつけないと』
そう思うようになりました。
あれから
何十年もたちました。
大人になって
わかったことがあります。
父のきょうだいたちは
『無能』なんかでは
ありませんでした。
会社員をしながら勉強し、
早期退職して、
自分で会社を始めた
おじさんもいます。
なのに父は
その事実を認めないのです。
あいつは
ずるいヤツだ。
ひいきされている
とか言うのです。
どうして
そんなことを言うのでしょうか?
カレの成功を認めると、
『できなかった自分』を
受け入れることになるからです。
わたしは悲しかった。
どうして
父はそんなことばかり
言うのだろうかと。
父は
酒を飲む習慣のない自分の兄を、
ことごとく
けなしていました。
あんな
『酒も飲めないヤツ』と
だけど
フタを開けてみると、
飲まずに穏やかな日々をすごし、
読書をし、
視野を広げ、
見聞を広め、
たくさんのことを
学び続けたおじさんのほうが、
『社会的信用』を
得るようになりました。
酒を飲み、
愚痴や悪口を言い続けた
父は、
悲しいかな、
ずーっと
そのままでした。
わたしの父は
『負けず嫌い』な男でした。
もともとは
努力家の男でした。
しかし父は、
『酒の誘惑』に勝てませんでした。
酒を飲むことで得られる
『万能感』
『俺はスゴイ』という
万能感におぼれていきました。
父は、
『頭の悪いヒト』では
ありませんでした。
そりゃそうです。
同じ人間です。
みんなとおなじように、
『大きな脳』を持っています。
謙虚な姿勢で
いろんなことを見聞きし、
考え、学び続けていれば、
『理想とする自分』に
なっていたハズなのです。
だけど、
長年の酒が
父をそうさせませんでした。
わたしは
とても残念でなりません。
自分の『脳』を
あまくみてはいけません。
自分の『脳』を
アルコールで
マヒさせてはいけません。
それは
『認知症になるからでしょ』とか
『脳萎縮するんでしょ』とか
そういうことだけでは
ないのです。
『お酒』は
あなたの人生から、
『知ること』
『知る機会』
『学ぼう』
『やろう』
『挑戦しよう』
『チャレンジしよう』という
『意欲』や『忍耐』
そして一歩踏み出す
『勇気』を
ことごとく
奪っていくからです。
酒を飲んで
酔っぱらうということは
そういうことです。
とくに、
酔っぱらって
『悦に入る自分』が
『爽快だな』
『いい気分だな』と
思っている場合は、
注意が必要です。
『脳』は
その快感を覚えているから、
いつも
『そういう状態』になろうとします。
早く
手っ取り早く
『快』の状態になろうとします。
だからあなたは、
『酒を飲みたい気持ち』になり、
また
飲んでしまうのです。
すると
どうなりますか?
そこから
抜け出せなくなります。
抜け出せないあなたは、
一生
『そのまま』になります。
20歳から
『飲み始めた人』と、
『飲んでいない人』が
それぞれ
40歳になったとします。
『飲んでいない人』は、
この20年間
シラフで生きてきました。
その間、いろんなことが
自分の身に起こったけれど、
そこでいろんなことを見聞きし、
考え、学んできたことでしょう。
『飲み続けてきた人』は、
この20年間、
日が暮れると朝まで
ほとんど酔っていました。
その間、いろんなことが
自分の身に起こったのだけれど、
どんなことが
起こったのか、
覚えていますか?
いろんなことを見聞きし、
考え、
学んでこれたでしょうか?
お酒のことばかり
心配してきたのでは
ないですか?
酔ってやらかしたことを
後悔したり、
それで夫婦間の口論になったり、
人間関係がこじれたり。
イヤなことの後始末ばかり
していませんでしたか?
『なかったことにしたい』
『自己嫌悪』
頭の中は
そんなことばかりでは
ありませんでしたか?
人間は
日々進化していく生き物だと
わたしは思っています。
がしかし、
『脳』は『酒の快楽』を覚えると、
今日もソレを求めてきます。
だからあなたは
今日も酒を飲みます。
そして
酒で酔っぱらったあなたは、
今日も『学ぶ機会』を失います。
なにかに挑戦する時間を失います。
なんということでしょう
『成長していない人間』に
なってしまうのです。
恐ろしいと思いませんか?
ふと振り返った時、
酒を飲み続けた
これまでのあいだ、
『自分は成長していない』という
まぎれもない事実に
気づくのです。
それはなぜか。
1日24時間のうち、
夕方から翌朝まで
酔っていたからです。
酔っていたから、
『考えてこなかった』
『学べなかった』
だから
『なにもない』のです。
だから年相応に
『成長できていない』のです。
わたしは、
自分の身に起こった、
その現実に気づいたとき、
ボーゼンと立ち尽くしました。
その『絶望感』たるや
ハンパありませんでした。
涙があふれて
止まりませんでした。
後悔しても
後悔しても、
『過ぎ去った日々』は
戻ってこないのです。
酒をやめるなら『今』です。
今この瞬間からです。
昨日、断酒に失敗したのならば、
また今日から始めるのです。
『アルコール依存症』になる前に
お酒をやめることが大切です。
早ければ
早いにこしたことはありません。
早ければ、
やめやすいのです。
でも、むつかしいときは、
あなたの地域にある、
保健所や
お医者さん、
断酒会などの
自助グループを訪ねてみるのも
大切な方法です。
ひとりで抱えこまず、
専門家に
助けてもらうことは
とても大切なことなのです。
そしてその『専門家』は
どこにいるのかというと、
NHK福祉ポータル「ハートネット」
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わたしは
専門家ではないので、
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ではまた!