『あたりまえにある景色はなくなる』ということ。

 

きょうから
高校野球選抜大会がはじまった。

いつもならば、
『ゆっくりしたい日曜日』なんだけれど、

きょうは『ちょっと特別な日』なので、
少し早起きをして、
近くのファミレスで
モーニングと、
あたたかいコーヒーをいただき、

朝陽の降り注ぐ青空の下、
てくてく歩いて、
家へ帰ってきた。

わたしは、
春の高校野球の開会式が
とっても好きだ。

『あー
春がやってきた』

なんだか自然と、
そんなふうに思うのだ。

昨年の8月に、
『夏の大会』が終わり、
秋、冬が過ぎていき、

そして今日、
テレビをつけるワケだ。

あー
はじまる
はじまる

なんだかウズウズ。

『新しい』が始まる
このカンジ。

わたしは今年、
42歳になる。

子供のいないわたしには、
『いまを生きる子供たち』が

いったい
どんなことを思い、
考えて生きているのか、

『わかるすべ』が
ほとんどない。

だけど今日、
小豆島高校の樋本主将の
選手宣誓を聞いていて、

わたしは、
なんだかとても、
それに共感し、共鳴し、
涙が出たのだ。

 

—-≪選手宣誓全文≫—-

宣誓
今から92年前、
第1回全国選抜中等学校野球大会が開催されました。

その翌年に創部された僕の野球部は、
来年の春、
高校の統合に伴い新しく生まれ変わります。

当たり前にあった景色がなくなる、
その重みを
僕たちは忘れたくありません。

当たり前にある日常のありがたさを胸に、
僕たちはグラウンドに立ちます。

そして、
支えてくださる方々を笑顔にできるよう、
気迫を前面に出し、
全身全霊でプレーすることを誓います。

平成28年3月20日
選手代表 小豆島高等学校 硬式野球部 主将 樋本 尚也

 

 

—–≪引用ここまで≫—-

 

18歳を過ぎ、
わたしは、
いつの間にか
『あこがれていた大人』になっていた。

そして
気がつくと、
20代を走り抜けて
30代になり、
もう40代になっていた。

就職し、
『新入社員です』と
あいさつしたのは、
ついこの前のことのように
思い出される。

新しい『大人の世界』は、
『わからないこと』ばかりで、

教えてもらったり、
ゼンゼン教えてもらえなかったり、

ふと気がつくと、
スケープゴート

誰かの
何かの『犠牲』か、
『人身御供』として

ひとり
悔し涙を流すこともあった。

昭和の時代に生まれ、
イチ社会人として、
平成のヒトケタ時代から、
生きてきた

時代は
どんどん『変わっていく』のに、

『それ』に
気づいていない
わたしがいた。

 

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『太陽』は
朝になると必ずのぼってくると
思い込んでいた。

バスや電車が走っていて、
時間通りに来るのは当然だと
そう思い込んでいた。

会社へ着いたら、
いつもの同僚がいて、
いつもの上司がいる。

『いなくなる』とは
思っていなかった。

職場で
いつものように作業をすすめて、
終わったら、
家に帰って来る。

そんな生活は
『変わらない』し、
『変えられない』し、
『しかたがない』のだと
思い込んでいた。

いったい、
どの時点で、
『そんな自分』に
なっちまったのだろうか。

『絶望』にも近い『毎日』を
わたしは
大人になってからずっと
繰り返していた。

『夢』とか
『希望』とかは、
いつの間にか
消えていた。

何の変哲もない、
おもしろくない人生だ

そう
思うようになった。

今日、
高校野球の『選手宣誓』を見た。

5年前には
『東日本大震災』があったのに、

『あのときの涙』を
『もう忘れている』自分に気がついた。

『一日、一日を大切に生きよう』と、
心に誓ったはずなのに。

 

『当たり前にあった景色』は
なくなる。

大人になると、
どうしてソレを、
すぐに忘れてしまうのだろうか。

42年間生きてきて、

子供の頃に遊んでいた
レンゲの広がる『田んぼ』や
小魚の泳いでいた『小川』は

すべて埋め立てられ、
新築住宅で覆いつくされた。

わたしの通っていた高校も、
来年『高校の統合』によって
閉校となる。

白い自転車に乗って、
風になびく制服のスカート、

3年間見続けた
あの景色は、
もうない。

『その重みを僕たちは忘れたくありません』

きょうは、
忘れていたことを
たくさん思い出させてもらった。

こういう『大切なこと』は、
子供たちのほうが
よく知っているんだなぁと。

大人になると、
どうもイカン

同僚やら
ライバルやら、
取引先や上司、
『自分の立場』
そんな方向にばかり
目が行っちまって、

『ほんとうの感性』が
サビだらけに
なっちゃってね。

『今、この瞬間』も、
刻一刻と過ぎていく。

『空の雲』は
現れては流れ、
消えていく。

だからほら、
大切に生きよう。

砂時計の砂が流れていく。

ぐちぐちやってる場合じゃないよね。
嘆いてばかりじゃいられないよね。

ありがとうと言おう。

『あたりまえのように』
わたしのそばにいてくれる
たったひとりの家族
ダンナに感謝しよう。

『残された時間』は
あとどのくらいなのかは
誰にもわからない。

だからほら、
今日ですべてが終わってしまっても、
『あーしまった』
とならないように。

今、ここから、
できることから
ひとつづつはじめよう。

一歩ずつ、一歩ずつ、
階段を昇っていくように、
歩んで行こう。

はてしなく見える
その道のり、

だけどそれが
『いちばんの近道』なのサ。

ではまた!
本日もお越しいただき
ありがとうございました(^^)