酒を飲んでいたころのわたしは、
『自分のこと』ばかり
考えていました。
どうしてヒトは
わたしのことを
『わかってくれない』のだろうかと。
わたしは一生懸命
がんばっているのに
『あなたのために』
がんばっているのに
どうして
わかってくれないのだろうかと。
ヒトから
どのように見られるのかが
とても
気になるヒトでした。
いつも
気を使って話しているのに、
思いついたことを
自由に
ポンポン話すヒトを見ると、
『ムカっ』ときました。
その人の
あとしまつをしているのは
『自分だ』と
思うようになりました。
いつもいつも
『貧乏くじ』を引いているような
毎日でした。
こんなに
ガマンしているのに、
誰もわかってくれないと
思うようになりました。
毎日が
そんなことばかりでした。
職場に行ってもそう、
なにかの集まりに行ってもそう。
わかってもらえない
ことばかりだなと。
こんなのは
もうイヤだな。
苦しすぎる。
ヒトなんて
信じられないや。
もう
『ひとりで生きていこう』と。
誰とも
話さない日もありました。
どうせ
『わかってもらえない』だろうから。
わたしのことなんて、
わかってもらえないだろうからと。
毎日が
『灰色』の日々でした。
ビールを飲むのは
『帰宅後の楽しみ』になりました。
飲むと、
パアっと世界が明るくなりました。
わたしは
飲みながら、
笑っていました。
あるとき、
『いつもお酒のことを考えている自分』に
気がつきました。
お酒を飲んで
『ラクになろう』とつぶやいている
自分に気がつきました。
お酒を飲めば
ラクになれたのです。
なぜ?
なぜ
そんなことに
なってしまったのだろうか?
この世の中が
『悪くて』
他の人がみんな
『悪くて』
お酒を飲んだら
『ラク』になれるって
それはいったい
なんなのだと。
ああそうか
わたしはぜんぶ
『正しくて』
まわりは全部
『悪い』ってことか。
だから、
毎日生きているのが
苦しいんだ。
理解してもらえなくて
ツライんだ。
わたしは『正しい』
わたしのまわりは全部
『正しくない』
わたしは
『絶望』しました。
あるとき
ヒトからこう言われました。
わたしたち
『まわりのヒトに恵まれていないよね』と。
彼女は
『タバコをやめられないヒト』でした。
イライラして、
いつも
イライラして、
職場の
デスクを離れ、
タバコを吸うために
どこかへ消えていました。
彼女は
『甘いもの』を
たくさん買って
デスクへ置いていました。
職場のデスクでは、
タバコを吸っては
いけないからです。
『あの人って、
アレだよね』
わたしたちは、
顔を合わすといつも
ヒトの
ウワサを言っていました。
悪口を言っていました。
なぜそんなに
ヒトの悪口を
言っていたのでしょうか?
なぜそんなに、
ヒトの批判ばかり
していたのでしょうか?
それは、
ヒトを『悪者』にしておけば、
『自分は正しいヒト』で
いられるからです。
悪いのは
むこう。
正しいのはわたし。
だから
『正しい自分』は
そのままでいい。
『自分を変えなくていいから』です。
わたしたちは、
自分以外の人たちを
『変えよう』としました。
変わってくれないから、
『ムカッ』ときました。
ムカッと来るから、
悪口を言いました。
どうしてあの人は
いつもああなんだろうと。
イライラ
しました。
イライラしっぱなしでした。
だから
甘いものをいっぱい食べて
太ったし、
家に帰ってからは
ビールが止まりませんでした。
ビールの次は
ワインで、
焼酎で、
ウイスキーで、
もう
なんでもよかった。
とにかく『酔えれば』
なんでもいいと
思うようになりました。
そして
気づいたときには、
それが
『習慣』になっていたのです。
毎日イライラ
ムカムカ
もやもやするから、
帰ってからは
ビールを飲む。
だけどそのうち、
カラダが思うように
動かなくなりました。
とにかく
毎日がしんどいのです。
しんどくて
たまらないのです。
わたしは
しんどさを
まぎらわすために、
もっと酒を
飲むようになりました。
飲めば
ラクになれたのです。
あるとき
鏡の中に、
ほてった顔をした、
洋服の入らない
『太った女』を見つけました。
ビックリ仰天しました。
それは、
『わたし』だったのです。
ショーウィンドウにうつる
自分の姿は
見ないようにしてきました。
試着室では、
何を着ても
ボンレスハムにしか見えない
自分がいました。
いったい
どうしてこんなことに
なってしまったのか。
『自分と向かい合う日』が
とうとう
わたしにやってきました。
ついに
やってきました。
わたしは
『自分はがんばっている』
つもりだったけれど、
それはただ単に、
『ひとりよがり』だったのです。
がんばっている方向が
『間違っていた』のです。
わたしは
わたしの気分が良くなるように、
『わたし以外の人たち』を
『変えようとした』のです。
一生懸命
『あの人は間違っている』
『あなたは間違っている』と言って、
『変えようとした』のです。
けれども
ソレじたいが、
『間違っていた』のです。
どんなひとであっても、
ヒトを変えることなんて
『できない』のです。
ヒトの『行動』や『こころ』を
変えることなんて
できないのです。
だってほら、
反対の立場になってみたら
そうでしょう?
『あなたは間違っている』
『変わりなさい』って
ヒトから言われたら、
激怒しませんか?
わたしは
激怒しますね。
うるせぇ~!
いらん世話じゃぁ~!!
ってなります。
わたしにできるのは、
自分で
『自分を変えることだけ』なのです。
わたしは、
鏡の中の
『みにくい姿をした自分』を見ながら
決意しました。
『自分を変えよう』と。
マイナスからの
スタートでした。
『もう遅すぎる』と
思いました。
絶望しました。
だって、
手がつけられないほど
ぶくぶく太っているし、
『太ってもいい理由』や
『飲んでいい理由』ばかりを
見つける習慣になっていました。
『そういう理由』を
見つけさえすれば、
『このままの自分でよかったから』です。
その悪習慣を断ち切り、
『ヒトを批判すること』をやめ、
『自分の考え方』を変える。
並たいていのことでは
ありませんでした。
毎日、
ソレを意識しました。
ああ、
また『ヘンなクセ』が出てしまった。
変えよう
変えよう
自分を変えよう。
今日いちにち。
そして一週間、
1か月、2か月、3か月
そして
どうなったと思いますか?
わたしの周りの人たちが
『変わった』のです。
『同じメンバー』なのに、
その人たちの言動が
変わったのです。
わたしは思いました。
わたしはなんて、
『いい人たちに恵まれたのだろうか』と。
今日からやることは
ふたつあります。
ひとつは
『お酒を卒業すること』
断酒、禁酒。
ふたつめは
クチから出てくる
『ことばを変えること』
酔っぱらった状態では、
『自分をコントロール』することなんて、
ムリです。
出てくる言葉は、
聞いた人がビックリするような、
『汚いもの』だったりします。
ヒトを傷つける
『ヒドイ言葉』だったりします。
アルコールで
気持ちが
いように高ぶるので、
『とんでもない言葉』を
発してしまいます。
『飲みながら自分を変えよう』というのは
至難のワザだと
わたしは思っています。
さあ
酔っていない状態で、
『自分の言葉』を変えてみましょう。
あなたの人生は、
今とは『まったく違う人生』になります。
素晴らしい人生が待っています。
じゃあ、
どんな言葉を使ったらいいのかって?
わたしは
いろんな本を読みました。
読書は
『断酒の夜長』をすごすには
最高の時間つぶしになりました。
人間の世界には、
『魔法の言葉』というのがあるのです。
聞いたヒトが
耳にすると、
『うれしくなる』という
魔法のような言葉が
あるのです。
でも
『特別な言葉』ではありません。
ふだん
わたしたちが耳にしている
『言葉たち』です。
じつは、
はるか昔から、
『言葉は、その人をあらわす』と
言われてきました。
あなたの『発する言葉』に引かれて、
ヒトは近寄ってきます。
『きたない言葉』を使うと、
それに同調した人たちが
そばにやってきて、
『心の美しいヒトたち』は
去っていきます。
『美しい言葉』を使うと、
『心の美しいヒトたち』がやってきて、
それ以外の人たちは、
去っていきます。
『いい言葉』を使うと、
『いい人たち』に囲まれるのです。
『いい人たち』に囲まれたあなたは、
『いい人生』になるのです。
さあ、断酒の先にある
『あなたの生きやすい、いい人生』を
見に行ってみませんか?
それではまた(^^)/