酒と親と子供 (3)完

~前回の記事の続きです~

あと30分遅かったら
『手遅れでしたね』と、
ドクターから話があった。

父は、
『なにもしていないのに、
どうしてこんなことになったんだ!』

『ひどい目にあった!恐ろしかった!』
と、そう言った。

病院へかけつけたわたしは、
それを聞いてビックリした。

『なに言ってんの?
酒を飲み続けてきたからじゃないか』と。

20歳から何十年間も
酒を飲み続けたら、
『体の中はボロボロ』になるんだよ。

そんなことも知らないのか、
このオヤジはと。

わたしは
心の底から悲しかった。
情けなかった。

家族がどんなに言っても、
頼んでも、
心配しても、
父は酒をやめなかった。

糖尿病は『境界線』だから大丈夫。
高血圧は『薬』があるから大丈夫。
コレステロールは高いけれど、
太ってないから大丈夫。

なのに、
人間ドックで
『ポリープ』が見つかると、
『ガンだ』『ガンだ』

オレはもうすぐ死ぬんだと、
数日間、
血相を変えながら騒いだ。

先生は『良性』だと言ったけど、
『良性かもしれない』と言った。

『かもしれない』ということは
『ガン』だ。

あと半年で死ぬんだ、オレはと。

 

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わたしは思う。
『酒』というのは
やっぱり
『ヘン』な薬物なんだと。

『酒』を数十年も飲み続けてきた
父の『思考回路』は
シラフであっても、
おかしい状態になっていた。

『被害妄想の塊』だった。

『きちんと考える』
『信じる』ということが
できないヒトになった。

そして父は言う
『どうして、
こんなことになったのだ!』と。

わたしは、
透明のトレーへ乗せられた、
父の『黒ずんだ 胆のう』を
ドクターから見せられた。

だからね、
体の『他の部分』も、
『長年の生活習慣』で、
こういうふうに『痛んで』いて、

『うすく』『もろく』なっていて、
『亀裂が入りやすく』
なっているんですよ。

今回は『胆のう』だったけれど、
いつ『どこがイッテも』
おかしくはないんですよと。

体は、
細胞や血管で構成されていて、
すべて、
この自分のからだの中で、
『つながっている』

ソコを
『理解しなくてはいけない』

わたしはそう
強く思った。

父の『胆のう』が破裂したのは、
定年退職してから
まもなくだった。

会社を辞めて、
やっと自由に生きられるのに、
かわいそうだと

『痛み』で『のたうち回る』父を見て、
母は泣いた。

最近は、
58歳だとか、
60代で病気をしたり、
亡くなるヒトが
多いように感じる。

個人的には
『あの時代のヒト』は
『酒量がハンパないからな』
と勝手に思っている。

わたしが
父と母から教えられたこと

『大人は酒を飲め』
ということ。

だけど、
そのとおりにしていたら
『家庭は壊れる』し、
『自分の体も壊れる』
ということも

よーくわかった。

だから、
わたしは酒を『卒業』した。

その渦中にいるときは、
『アリ地獄』から
自分は抜け出せないと思った。

もうダメかと思った。

人生終わった。
もうムリだ。

取り返せないと思った。
怖かった。

だけど
『抜け出せた』

『抜け出して』
今日で『2025日目』になった。
もう5年以上が経った。

ひとつ
わかっていることがある。

『酒を飲むのが正しい』
『酒を飲むのがフツウ』
『酒を飲むと健康になる』
とかいう
その考え方は

実は『間違い』なのだと
気づけば、

『酒を卒業できる日』は
『近い』ということだ。

ではまた!
ともに良き人生でありますように(^^)v